研究概要 |
ハードウェア、コンピューターグラフィックス、バーチャルリアリティ技術の進歩により、ヘリカルCTや高速MRIデータを用いた三次元画像が、医学教育、内視鏡や手術シミュレーションとして、臨床的に有用なツールとなっている。平成10年、ワークステーション、及び、K.G.T.社製三次元画像システムINTAGEを購入し、当センターのCT,MRIとネットワーク接続し、臨床応用を開始した。さらに、平成11年度8月よりマルチスライスヘリカルCT;東芝社製Aquilionが寡動し、きわめて高分解能のボリュームデータが容易に収集可能である。Full-Scale Volume Renderingでは、三次元画像の著明な高画質化を可能とし、非常にリアリティある画像が構成可能である。このため、シミュレーションにおいて多彩な表現方法が可能となる。特に、肝臓腫瘍の術前評価(腫瘍と門脈、肝静脈の関係)、大動脈疾患(範囲,大きさなど)では、適切な術前評価が可能である。また、Perspective Renderingを用いたVirtual Endoscopyでは、Virtual Bronchoscopy,Virtual Colonoscopy,Virtual Angioscopyなどが可能で、特に、Virtual Bronchoscopyは、気管枝鏡やTBLBのシミュレーションとして臨床的にきわめて有用である。さらに、マルチスライスヘリカルCTによる高分解能ボリュームデータを用いた場合には、7-8次分枝レベルのVirtual Bronchoscopyも可能である。現在では、画質、操作系、画像構成時間など、ルーチン検査として行うには、未だ、問題点が多く残っている。本年3-4月中に、Volume Renderingがさらに高速化し、リアルタイム化が予定され、臨床的有用性の向上が期待される。
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