1 最大直方体領域決定アルゴリズムの作成 大きさが最大となる直方体領域の決定アルゴリズムを基礎的検討のため2次元の物体に関して作成した。このアルゴリズムは、計算の対象となっているボクセル(単位体積素)を含み、かつ、均一な媒質を有する最大の直方体を検索し、この直方体を構成する6個の面の位置情報を当該ボクセルに与えるアルゴリズムである。このアルゴリズムとして、領域の輪郭より1画素だけ大きい領域の部分を調べながら単純に領域を拡張していく方法と、遺伝的アルゴリズムを用いて特定空間を効率的に覆う矩形(直方体)を検索する方法を検討した。この結果、前者では計算時間がかかるものの最小値が得られること、後者は短時間で矩型領域が決まるが評価関数の設計がかなりむづかしいことがわかった。 2 最大直方体領域決定アルゴリズムのプログラムの作成 最大直方体領域決定アルゴリズムをプログラミングして、個々のボクセルに対してそれを含み、かつ媒質が均質であるような最大領域の決定と6個の面の算出を行なった。ここでは、2次元的に分布した吸収係数が、z軸方向に一様であるものと3次元的に分布するものの両方を取り扱った。また、同時に、物体をオクトツリーで表現するためのプログラムも作成した。使用した3次元ディジタルファントムはノースカロライナ大学で開発されたMCATファントムや単純な円柱ファントムである。
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