研究課題/領域番号 |
10670882
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
千田 道雄 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究室長 (00216558)
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研究分担者 |
定藤 規弘 岡崎生理研究所, 大脳皮質機能心理生理, 教授 (00273003)
織田 圭一 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究助手 (70224235)
石井 賢二 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究助手 (10231135)
菅野 巌 秋田県立脳血管研究センター, 副研究局長
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
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キーワード | PET / FDG / 局所脳糖代謝 / 入力関数 / 動態モデル / 解剖学的標準化 / SPM |
研究概要 |
フッ素18標識フロロデオキシグルコース(FDG)によるポジトロン放出断層撮影(PET)は、生体の糖代謝を断層画像に描出できるので、腫瘍の診断の他、てんかんやアルツハイマー病など脳疾患の診断にも有用である。また、脳のFDG-PET画像の読影診断に関しても、脳画像をコンピュータで標準化して自動解析する試みが行われており、客観的普遍的な診断の普及に貢献すると期待される。患者のPET画像の診断のためには正常データが必要であるが、個々のPET施設で十分な例数の健常人データを収集するのは容易ではない。そこで国内の5つのPET施設から健常人の脳FDGデータを集めて正常データベースを作った。まず、異なる施設のデータを同じコンピュータ上で処理するために、データを転送してフォーマット変換するシステムを確立した。一方で、解剖学的標準化法としてSPM法、ミシガン法およびHBA法を対象にその特徴を検討した結果、SPMのように形態情報を用いない方式でも解剖学的位置は比較的よく合うことを明らかにした。SPMを健常高齢者のFDG画像に用いると、仰角が合わなくなる例があった。また、SPMは標準脳テンプレートの選び方によって結果が変わり、CBFテンプレートを用いるとFDGテンプレートを用いたときに比べて、後頭葉が下方に変異した。すなわち、SPMは、FDG画像の群比較や加齢変化の検定に使う場合には注意を要すること、また、標準脳テンプレートを適切に選ぶ必要があることがわかった。
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