研究課題/領域番号 |
10670893
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10285025)
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研究分担者 |
森 則夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
松永 勉 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10273179)
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キーワード | 精神分裂症 / 児童期発症 / 遺伝子多型性 / COMT |
研究概要 |
精神分裂病の病態としてドーパミン神経伝達系の異常があげられている。Catecholamin-O-mehyltransferase(COMT)はドーパミンなどカテコールアミンを代謝する酵素であるため、精神分裂病の病因候補のひとつとして考えられている。COMTにはコドン108における1塩基置換(G/A)により高活性型(Val-108)と低活性型(Met-108)の2つのアリルが存在する。この機能的多型性と精神分裂病感受性の関連が推測され、これまでに多くの関連研究がおこなわれてきたがその関連性は証明されていない。一方、発症年齢が早い症例ほど遺伝子的脆弱性に強く関連していると考えられることから、早期発症分裂病を対象とした研究の重要性があげられている。COMTに関する報告では分裂病児童における低活性が報告されているが、遺伝子多型による検討は行われていない。 今回、16歳未満でDSM-IVによって精神分裂病と診断された早期発症分裂病患者52人と精神科既往歴のない健常者63人を対象に、末梢血から抽出したゲノムDNAを用いてPCR-RFLP(Nlalll)によりCOMT遺伝子多型と決定し、χ^2検定を用いて比較検討した。対象者には研究の目的と方法を説明し書面による同意を得た。 その結果、遺伝子型および遺伝子頻度はともに患者群と健常者群のあいだに統計学的な有意差は認められず、早期発症分裂病とCOMT遺伝子機能的多型性とのあいだに関連をみとめなかった。
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