研究課題/領域番号 |
10670897
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
染矢 俊幸 新潟大学, 医学部, 教授 (50187902)
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研究分担者 |
下田 和孝 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30196555)
上原 徹 新潟大学, 医学部, 助手 (60303145)
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キーワード | 難治性うつ病 / 三環系抗うつ薬 / 代謝 / CYP2D6 |
研究概要 |
本研究は三環系抗うつ薬によって治療を受けているうつ病患者を対象に、三環系抗うつ薬の薬物動態、およびそれを制御している薬物代謝酵素の遺伝子変異と臨床効果との関連を解析することにより、難治性うつ病の治療アルゴリズムを開発することを目的とする。 平成10年度はCYP2D6の基質であるnortiptyline(NT)によって治療中のうつ病患者で、研究の内容に対して同意の得られた31名を対象に検討を行った。NTとその水酸化代謝物(trans-10-hydroxynortriptyline:EHNT,cis-10-hydroxynortriptyline:ZHNT)の血漿中濃度には約6-10倍の個体差が認められた。NTの水酸化率を示すNT/EHNTは0.398-4.04(1.24±0.72)と約10倍の個体差を認めた。CYP2D6の遺伝子型を決定し血漿中濃度との関連を検討したところ、CYP2D6の^*10allele(Chinese mutation)をもつ個体は^*l allele(wild type)のhomozygoteをもつ個体の約1.8倍のNT血漿中濃度を示した。NTの水酸化率は^*10 alleleのhomozygoteをもつ個体は^*1 alleleのhomozygoteをもつ個体の約3.4倍の値を示した。以上の結果より^*10 alleleの存在がNTの水酸化を著明に低下させることが示された。
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