研究分担者 |
小林 孝吉 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
高松 範雄 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
平田 牧三 山口大学, 保健管理センター, 教授 (10156672)
阿部 公朗 山口大学, 医学部・附属病院, 医員
KOBAYASHI Kokichi Department of Neuropsychiatry, Yamaguchi University, Senior Resident
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研究概要 |
【実験 1】皮質ACh分泌における5-HT_<2A>受容体と5-HT_<1A>受容体の相互作用を解明する目的で、ラット前頭葉のACh分泌を測定した。皮下(1.0mg/kg)と前頭葉(10μM)に投与した8-OH-DPAT(DPAT)はACh分泌を有意に増加したが、WAY 100-635(WAY;0.1mg/kg,s.c.;0.1,10μM)は影響しなかった。Fenfluramine(FEN;10mg/kg,i.p.)、またはDOI(2.5mg/kg,i.p.)投与後に前頭葉に投与したWAY(10μM)も、これら薬物のACh分泌増加作用には影響しなかった。一方、同じ方法で投与したDPAT(10μM)はDOI投与後ではACh分泌を一層増加し、ketanserin(5.0mg/kg、i.p.)投与後ではACh分泌に影響しなかった。以上から、(1)5-HTはシナプス後5-HT_<1A>受容体を介してACh分泌をtonicには促進していない、(2)FENによるACh分泌の増加は主として5-HT_<2A>受容体を介して行われている、(3)5-HT_<2A>受容体が活性化している状態では、5-HTによるシナプス後5-HT_<1A>受容体を介するACh分泌促進作用は亢進している可能性が示唆された。 【実験 2】Estrogenの皮質ACh分泌への影響を解明する目的で、卵巣摘除ラットの前頭葉ACh分泌を測定した。卵巣摘除19日目に透析プローブ留置術を行い、直ちにゴマ油に溶解した17β-estradiol(E_2;3.0,30,300μg/kg),またはゴマ油を皮下投与し2日後に透析実験を行った。4群の血清E_2値は著しく異なったが、ACh基礎分泌値とFENのACh分泌増加作用には有意差は認められなかった。以上から、2日間のE_2補充によって、(1)「前脳基底部-皮質Ch作動性神経系」の機能と、(2)5-HT_<2A>受容体機能は回復しない可能性が示唆された。
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