研究課題/領域番号 |
10670908
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小椋 力 琉球大学, 医学部, 教授 (60032330)
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研究分担者 |
外間 宏人 琉球大学, 医学部, 助手 (80238724)
大田 裕一 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (90264481)
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キーワード | 分裂病型人格障害 / 近赤外線分光法 / 事象関連電位 / P300 |
研究概要 |
分裂病型人格障害は精神分裂病近縁疾患の一つと考えられ、何らかの共通の生物学的基盤を有すると考えられているが、不明な点も多い。前年度に引き続き、近赤外線分光法(f-NIRS: functional-Near Infrared Spectroscopy)、事象関連電位を用い検討を行った。Wisconsin Card Sorting Test施行中の精神分裂病者と健常者の前頭葉の脳血流変化をf-NIRSを用い測定した。対象は10人の健常者(平均年齢28±4歳)と10人の精神分裂病者(平均年齢34.5±9歳)であった。被験者は全員男性で右利きであった。精神分裂病者の下位分類(DSM-IV)はそれぞれ妄想型6名、分類不能型3名解体型1名であった。血流の反応パターンについて、I型:血流変化の反応性が良い。II型:反応性が緩徐。III型:血流が減少。IV型:反応がないの計4型に分類した。更に、左右差についても左側型、右側型、両側型の分類を加えた。その結果健常者ではI型が4人と最も多く、精神分裂病者ではIV型が4人、II型が3人で精神分裂病者では全体に血流変化の反応性に乏しかった。分裂病型人格障害1例(31歳、男性)についてf-NIRSを施行したが、I型の反応パターンであった。今後も更に症例数を増やしながら検討を行っていく予定である。琉球大学の新入生にGeneral Health Questionnaire (GHQ)、Schizotypal Personality Questionnaire(SPQ)、Structured Clinical Interview for DSM-III-R(SCID)を総計1693人に施行し、これらの検査で高得点を示したものを分裂病型人格障害とし、同意の得られた9名と性年令を対応させた健常者から聴覚odd-ball課題を用い、事象関連電位測定を行った。その結果、P200、N200、P300潜時については、差を認めなかったが、P200とP300振幅は分裂病型人格障害群で健常者群に比して低下を認めた。またN200振幅は逆に分裂病型人格障害群で健常者群に比して低下を認めた。以上の結果は分裂病型人格障害における精神分裂病と類似の認知機能障害の存在、およびP300振幅の潜在的な精神分裂病リスクマーカーとしての有用性を示していると考えられた。P300と近赤外線分光法はそれぞれ異なった、認知機能を反映した指標と、考えられるが相互の関連についてさらなる検討.が必要と思われる。
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