研究課題/領域番号 |
10670911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
中野 倫仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20284995)
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研究分担者 |
村上 新治 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30142756)
林 和秀 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40315510)
齋藤 諭 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30295357)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | アルツハイマー病 / 脳血流 / 眼球運動 / 病理 |
研究概要 |
1. アルツハイマー病では病期の進展とともに画像(特にSPECT)において、その障害部位が拡大し、臨床症状や眼球運動により計測された視覚認知機能障害とよく相関することが知られている。また、病理所見では、初期病変であるアミロイド蛋白の沈着から神経原線維変化、神経細胞脱落が生じるとのアミロイド仮説が認められている。本研究は、その各々の相関を検討するとともに剖検例があった場合には、脳血流量(rCBF)と病理所見の対比検討を行うことを目的として実施した。 2. 生前に定量脳血流画像が得られなかったAD 5例について、側頭葉、頭頂葉、海馬におけるAβ、NET、ApoE、AGEの分布を検討した。AGE陽性のプラークでも5%でAβは陰性であり、細胞外NFTではAGEはほとんど染色されなかった。酸化的ストレスがAGEを介して神経障害をきたすことが想定され、これらの分布については目下検討中である。 3. ^<99m>Tc-ECDと^<123>I-IMPの両トレーサーを用いて測定したrCBFの低下が、注視の正確さの減少、サッケード潜時の延長、頭部運動の減少に対応しており、視覚性注意のネットワークが下頭頂小葉において分断されていることが示された。 4. AD患者でのrCBFを経時的に測定し、頭頂側頭葉から始まる集積低下が他部位に拡大する経過を解析し、剖検が得られた際の基礎データを集積している。本研究機関においては、rCBFを定量解析できた患者の剖検が得られず、経過観察中の症例の剖検を待って追加検討する予定である。
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