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1998 年度 実績報告書

水中毒発生機序に関わる向精神薬長期投与の影響についての実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670913
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

岸本 年史  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)

キーワード抗精神病薬 / バソプレッシン / マイクロダイアリシス法 / モノアミン
研究概要

我々は精神障害者における抗精神病薬の長期服用中に報告されている多飲傾向および水中毒の発症のメカニズムについて検討している。現在まで、抗精神病薬の長期服用によるこれらの発症とバソプレシンの分泌異常との関係を指摘してきた。
本年度は、抗精神病薬の長期服用によるバソプレッシン分泌異常と水中毒発症メカニズムを明らかにする研究の前段階として、ブレインダイアリシス法によるラットの視索上核(Supraoptic nucleus:SON)への高張脳脊髄液(1M NaCl含有)刺激実験を行った。
実験方法:Wistar雄性7週齢ラットを用いて、アンビュロ・ドリンコメーター内のケージで約10日間適応させ、適応中の飲水および移所運動量を測定した。適応後SONにガイドカニューレを植込み、3-4日間後ブレインダイアリシス法による高張脳脊髄液による刺激実験を行い、その間の透析液を採取、飲水および移所運動を経時的に測定した。また、刺激後約24時間の各運動量を測定し、線条体採取後ホルマリン固定しガイドカニューレの位置を脳切片により確認した。なお、線条体のモノアミン濃度はHPLC-ECD法で測定した。実験結果:1)高張脳脊髄液刺激による急性の行動変化:今回の条件では飲水および移所行動の顕著な変化は観察されなかった。しかし、高張液刺激後、対照群に比較してfacewashing,sniffing,rearingなどの行動変化が肉眼的に観察された。2)高張脳脊髄液刺激による24時間の行動および線条体モノアミンの変化:移所運動の減少が刺激および対照群において観察された。飲水行動については刺激群において増加傾向は観察された。線条体モノアミン濃度については著変は観察されなかった。バソプレシンについては現在、測定中である。以上、今回のSON刺激による結果では、刺激直後の飲水および移所運動では変化が認められなかった。しかし、肉眼による行動観察では、刺激後にface washing,sniffing,rearingなどの行動増加が観察されたことから、SON刺激による行動変化の可能性が考えられる。24時間の行動変化では、マイクロダイアリシス法による非特異的影響が考えられ、さらに観察期間を延長する必要があると思われる。今後、刺激条件の検討と抗精神病薬の長期投与について検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kishimoto Toshifumi: "Neuroleptics and vasopressin secretion" XXIst CINP Congress. 338 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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