研究課題/領域番号 |
10670919
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
宮田 久嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70239416)
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研究分担者 |
勝 久寿 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30307425)
和久津 直美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80301539)
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キーワード | メタンフェタミン / 条件性場所嗜好実験 / 腹側被蓋野 / 扁桃体 / ドパミン神経 / 増感現象 / 二次性強化 / ラット |
研究概要 |
平成13年度には、薬物の摂取欲求(精神依存)の発現に重要な、環境刺激が二次的に薬物の強化効果を獲得するプロセス(条件づけ)にかかわる脳内神経学的機序を明らかにすることを目的とした。このため、条件づけが薬物の反復投与により強化される現象(増感現象)に関与するとされる中脳-辺縁・皮質系ドパミン神経系の起始核である腹側被蓋野と、薬物の強化効果としての手がかり(cue)と環境刺激との連合に関与するとされる扁桃体に注目した。さらに、これらの部位にはドパミン神経が存在することから、ドパミン神経の神経毒である6-hydroxydopamineを用いて、それぞれの部位のドパミン神経を破壊した。このような実験から、環境刺激が二次性に強化効果を有するようになるプロセスにおける腹側被蓋野と扁桃体のドパミン神経の関与を明らかにすることを目的とした。薬物としては、methamphetamineについて検討した。この結果、腹側被蓋野と扁桃体の破壊によってmethamphetamineによる区画への条件づけは障害されたが、その障害の程度は両部位の間で差はみられなかった。本研究結果は、薬物依存において環境刺激が二次性強化を有するメカニズムとして、腹側被蓋野と扁桃体のドパミン神経が関与していることを示唆するものである。しかし、今年度の実験ではラットの個体数が4と十分とはいえず、今後、個体数を増やすとともに、他の神経系の関与などの検討が必要であると考えられる。
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