研究概要 |
10年度同様 患者データ及び対照とする健常者データの収集を行なった。 (1)対象患者スクリーニングとデータの収集:対象患者のスクリーニングは、研究代表者の木下が行っている。研究対象者は、世界保健機構の定める国際疾病分類(ICD-10)により「精神分裂病」(F2)に分類される患者の中で、薬物あるいは電撃療法などの治療歴のない15歳以上60歳以下の者(未治療群)とし、関西医科大学精神神経科を受診した患者の中から10名を選定した。スクリーニングにあたっては、詳細な病歴・家族歴を参考に、精神科的診察を行うとともに、身体的および神経学的診察、血液学的・血液生化学的検査、MRI-CT、99Tc-HM-PAO静注後のSPECT(斎藤朱美)を施行した。 脳波記録については、研究分担者である柳生と斎藤直が行い、国際10/20法に基づき頭皮上19部位(Fp1,Fp2,F3,F4,C3,C4,P3,P4,O1,O2,F7,F8,T3,T4,T5,T6,Fz,Cz,Pz)よりA1+A2を基準電極として(後にaverage referenceに変換)記録し、BioLogic社のCEEGRAPHおよびSONY DATレコーダーを用い、デジタル化した脳波データを光磁気ディスクに保存している。臨床データについては、脳波記録と同じ日に木下および研究分担者2名(磯谷、斎藤朱)のうちの1名が診察を行い、評価スケールPANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)を用いて数量化している。未治療群で対象患者となり治療が開始、継続されたものについては、縦断的な解析を行うために、1週間後・1ヶ月後・3ヶ月以降3ヶ月毎に、脳波データおよび臨床データを収集している。薬物治療群については、3ヶ月毎に、脳波データおよび臨床データを収集している。全データの保存・管理は斎藤朱が行っている。 (2)対象健常者のスクリーニングとデータの収集:対象患者と性別・年齢分布が類似するように選定した健常者10名を対象に、脳波(柳生)、MRI-CT(斎藤直)、99Tc-HM-PAO静注後のSPECT(斎藤朱)を施行した。 (3)データ解析は現時点では行っていない。今後行う予定である。
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