研究課題/領域番号 |
10670925
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中村 純 産業医科大学, 医学部, 教授 (40148804)
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研究分担者 |
大森 治 産業医科大学, 医学部, 助手 (70248558)
吉村 玲児 産業医科大学, 医学部, 助手 (90248568)
寺尾 岳 産業医科大学, 医学部, 講師 (80217413)
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キーワード | せん妄 / 評価尺度 / 血漿MHPG / ナチュラルキラー活性 |
研究概要 |
高齢患者の増加や救急医療の進歩などによりせん妄患者を診断し、治療する機会が増えている。せん妄に対する薬物療法としては、従来よりハロペリドール、チアプリドなどの抗精神病薬の投与がなされていた。しかし、これらの副作用、特に錐体外路症候群の発症を抑制するために、われわれは四環系抗うつ薬であるミアンセリン10〜60mgを試み、ハロペリドール5〜10mgとほぼ同等の効果があることをみいだした。また、せん妄の病態を明らかにするために、アクチグラフをせん妄発症前後より装着して、せん妄患者の活動量の変化を経時的に記録し、分析した。その結果、せん妄出現時に活動量が著明に増加し、睡眠・覚醒リズムに乱れがあることを視覚的に明らかにした。これらの変化を定量的に解析することが今後の課題である。更に、せん妄出現時に血漿MHPGが上昇しており、ノルアドレナリン代謝の亢進が示唆された。血漿HVA、5-HIAAの変化については症例を増やして結論を出す必要がある。また、同時期に施行した採血によって、免疫活性の指標であるナチュラルキラー細胞活性値が低値を示した症例があることを小数例で認めたが、今後も症例を集積する必要がある。また、せん妄の臨床評価に用いているTrzepaczらのせん妄評価尺度の問題点を指摘した。
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