研究課題/領域番号 |
10670935
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 武幸 千葉大学, 医学部, 助教授 (30187207)
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研究分担者 |
大木 操 国立がんセンター研究所, 部長 (00158792)
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学部, 教授 (50236775)
布施 晃 国立感染症研究所, 室長 (60110300)
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キーワード | 巨核芽球性白血病 / 細胞株 / 17番染色体 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
我々が樹立した巨核球系細胞株4種全てに17番染色体異常が認められた。CMKおよびCMYは17P13転座又は17番染色体欠失、CMSは17P13転座、CTSは17番染色体欠失が認められ、17番染色体特に17P13領域に何らかの発癌(特に巨核球系)に関連した遺伝子の存在が推定された。特にCMYについては、樹立前の細胞(患者芽球)には17番染色体異常は認められず、その後治療抵抗性を示す中で増加してきた芽球中にCMYと同様の17番染色体異常を示すクローンが増加してきた。すなわち樹立時には検出不可能のレベルのマイナークローンとして存在した細胞からCMYが樹立し、その後そのクローンが治療低抗性を示して患者の中で増殖した事が推察された。これにより17P13上に、治療低抗性、細胞株の樹立と関係した遺伝子の存在が示された。 17P13上には癌抑制遺伝子であるP53遺伝子の局在が知られている。そこで、CMYおよび培養前の芽球についてP53の発現をSSCP法にて解析したところ、CMYではP53遺伝子のExon5に異常を認めたが、培養前の芽球においては異常は認められず、P53遺伝子の異常は株化によって発生した付加的な異常であり、患者芽球における17Pの異常には関係しないことが明らかになった。 我々は現在CMK、CMY、CMSにおいて17P13の異常部位が同一否か、17P13近傍の複数の遺伝子を色素ラベルし、FISH法による解析を始めている。またdifferential display法およびrepresentational difference analysisを利用し、同部に存在する遺伝子のクローニングをすすめている。
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