研究課題/領域番号 |
10670942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40161913)
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研究分担者 |
安部 明弘 名古屋大学, 医学部, 医員
山本 晃士 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / ryudocan(syndecan-4) / マウス / 卵巣顆粒膜細胞 / 卵胞液 / 流動性維持 / 低酸素 / 組織修復 |
研究概要 |
卵巣組織におけるRyudocan(細胞膜貫通型HSPGであるSyndecanファミリーの一つ; Syndecan-4)の発現についてin situ ハイブリダイゼーション法にて解析した。Ryudocan mRNAの発現は、新生〜4週期マウスの各発育卵胞のうち3b-5型および閉鎖卵胞において表面上皮ならびに顆粒膜細胞層に明らかな観察され、成熟マウス卵巣においても卵胞液を産生しはじめる時期から顆粒膜細胞層でも卵胞液に接する最内側に限局する傾向にあった。これらの結果からRyudocanは明らかに卵巣顆粒膜細胞で産生されており、卵子を取り巻く卵胞液の流動性維持に働くHSPGの候補の一つであることが判明した。一方、種々培養細胞株を用いてHypoxia刺激によるRyudocanの発現制御解析を行った結果、いずれの細胞株においてもRyudocan mRNAの発現増強が観察された。そこで、Ryudocanのクローニングに用いたマウスLTA細胞にてさらに解析を進めた結果、Hypoxia刺激のみならずCoC_<12>処理でもVEGFと同様にRyudocan mRNAの発現増強が認められた。Ryudocan mRNA instability解析では、Ryudocan mRNAはVEGF mRNAに比べて安定で、Hypoxia刺激によりVEGF mRNAが安定化したのに対しでRyudocan mRNAは不変(むしろやや不安定化傾向)であり、両者のHypoxia刺激時の発現増強機序が異なることが判明した。一方、我々が既に単離に成功しているマウスRyudocanゲノム遺伝子5'側非転写領域についてのLusiferase reporter assayを行ったところ、VEGFで報告されているようなHypoxia response配列の同定はできなかった。これは、解析したRyudocanゲノム以外例えば、イントロンあるいは3'側非転写領域などにその配列が存在する可能性があり、今後さらに詳細な検討が必要となった。
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