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1998 年度 実績報告書

白血病細胞における癌抑制遺伝子p53蛋白燐酸化とアポトーシス関連遺伝子発現調節

研究課題

研究課題/領域番号 10670944
研究機関三重大学

研究代表者

小林 透  三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00144246)

キーワードp53 / 燐酸化 / Bax / Bcl-2 / Fas / APO-1 / アポトーシス / 放射線照射 / cytosine arabinoside
研究概要

白血病細胞株BV173は野性型p53を有し、放射線照射とcytosine arabinoside処理で、共にBax遺伝子発現は誘導されるが、Fas/APO-1はcytosine arabinoside処理ではほとんど誘導されなかった。Fas/APO-1の誘導の相違について、放射線照射とcytosine arabinoside処理でp53の性状に相違がないかどうかを等電点電気泳動とSDS-PAGEの2次元電気泳動で検索したところ、p53の等電点が異なり、phosphatase処理で共通の等電点にもどるためp53の燐酸化に相違があることが示された。p53燐酸化を抗体を用いて、さらに検索を進めている。また、アポトーシスに陥っているBV173細胞においてはBax蛋白ではp21に加えてp19、p21/WAF1/Cip1蛋白ではp21に加えてp14にcleavageを来した蛋白が出現することが示された。
K562細胞にp53下流遺伝子であるBax,Bcl-2発現ベクター,またはコントロールベクターをelectroporationにて一過性に遺伝子導入し、annexin V-FITCで細胞膜の外側に露出したphosphatydilserineを検出する方法でアポトーシスを検索すると、Bax遺伝子を導入したときが最もannexin-V陽性細胞が多い。しかし、electroporation自体が細胞障害性を有するためreverse tetracycline systemを用いたBax発現系をK562細胞に導入しBaxの強発現のみでアポトーシスが誘導されるかどうかをTUNEL法で検索したところ、TUNEL陽性細胞が出現しcaspase 3の活性化も認めた。Jurkat細胞では同様の方法でアポトーシスが誘導されることが証明されているが、Jurkat細胞はBax遺伝子のmutationがあり、野性型Bax遺伝子を有する細胞でも、Bax過剰発現がアポトーシスを誘導することが本研究で証明された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tohru Kobayashi: "Differential p53 phosphorylation and activation of apoptosis-promoting genes Bax and Fas/APO-1 by radiation and ara-Ctreatment." Cell Death and Differentiation. 5. 584-591 (1998)

  • [文献書誌] Tohru Kobayashi: "Overexpression of Bax gene sensitizes K562 erythroleukemia cells to apoptosis induced by selective chemotherapeutic agents." Oncogene. 16. 1587-1591 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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