研究課題/領域番号 |
10670948
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
待井 隆志 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
|
研究分担者 |
柴野 賢 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
池田 弘和 大阪大学, 医学部, 助手
|
キーワード | Hairy cell leukemia / B細胞 / リンパ増殖性疾患 / リンパ球増加症 / clonality / 免疫グロブリン / 決色体 |
研究概要 |
Hairy cell leukemia(HCL)に臨床的、血液学的に類似するが、HCLと異なって多クローン性のB細胞増多を示す4症例を見いだし、hairy B cell lymphoproliferative disorder (HBLD)と呼んで報告した。 1. HBLDの病態:その後さらに3症例を見いだし、HBLDの特徴をさらに明確にするとともに、HLA-DR表現型の検討を含め、欧米で報告されている持続性多クローン性Bリンパ球増多症(PPBL)との異同を明らかにした。 2. HBLD細胞のclonality:HBLDにおけるB細胞のclonalityをPCR法により検討し、7例中1例にclonalなB細胞のsmall populationの存在を見いだした。さらにFISH法により、B細胞の一部に3番染色体の構造異常が検出され、またB細胞mitogenによる細胞分裂の誘導の結果分裂細胞の一部に6;11転座が見いだされた。現在、それぞれの染色体異常が同一B細胞クローン上に存在するか否かを検索中である。 3. HBLD細胞、HCL細胞、正常人B細胞間の機能分化上の異同:HBLD、HCL細胞における各種B細胞mitogen刺激による細胞分裂、分化誘導物質によるIg産生はいずれも正常人B細胞に比し低いことが示唆された。前2者における細胞周期およびアポトシーシス関連分子の発現を検討中である。またRT-PCR法を用いたテロメラーゼ関連分子(hTRT2)発現の定量化を試み、正常人リンパ球、HBLDおよびHCL細胞の順にその発現の程度が強いことが示唆された。
|