(1)本態性血小板血症経過中に治療と関連して発症したと考えられる二次性白血病症例について経験し、その白血病細胞がmyeloid-NK precursor cell由来であることを見いだし、myeloid-NK precursor cellもまた治療関連二次性白血病の標的になりうることを発表した。 (2)原発性マクログロブリン血症治療中に発症した二次性白血病の1例にt(8;22)(p11;q13)を見出だし、8p11に存在するMOZ遺伝子、22q13に存在するp300遺伝子が本転座により融合していることを京都府立医大、国立がんセンターとの共同研究により見いだした。現在分子生物学的手法を用いて、その融合産物の機能分析を行っている。 (3)p53とともに細胞回転を制御していると考えられるp331ING1遺伝子に注目し、各種細胞株及び当科に保存されている骨髄異形成症候群や二次性白血病症例について、p33ING1の発現異常の有無を検討し、その発現低下と白血病発症の関連について検討中である。 (4)治療関連性白血病と考えられる症例の新鮮白血病細胞より永久継代可能細胞株の樹立を試み、現在詳細な分子生物学的検討を行っている。
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