1)当科で樹立された二次性白血病由来細胞株を用いて、癌抑制遺伝子であるRb遺伝子の位置する13q14遺伝子異常の詳細について解析(Coignetらとの共同研究)、またSKY法による5q遺伝子異常の解析(嘉数らとの共同研究)を行った。 2)治療関連二次性白血病の症例集積を行い、その免疫学的特性、成因に関する検討を行い、myeloid stem cellだけでなく、myeloid/natural killer cell precursor cellも標的となりうることを報告した。 3)赤血球貪食像を有する特異な二次性単球性白血病を経験し、本症ではt(8;22)(p11;q13)転座がみられ、その発症には8p11に位置するMOZ遺伝子と、22q13に位置するp300遺伝子が融合していることを見出し、その融合遺伝子産物の構造を明らかにし、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)が二次性白血病の標的遺伝子となっている可能性を示した(京都府立医科大学 嘉数ら、国立がんセンター 北林らとの共同研究)。 4)HAT活性を有するp33ING1遺伝子が腫瘍細胞ではその発現が低下し、白血球分化とともに発現が亢進することが明らかにされた。
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