研究分担者 |
横山 俊宏 九州大学, 医学部, 医員
下田 和哉 九州大学, 医学部, 助手
浅野 嘉延 九州大学, 医学部, 助手 (60271110)
中島 衡 九州大学, 医学部, 助手 (70188960)
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研究概要 |
顆粒球コロニー刺激因子(granulocytecolony-stimulating factor:G-CSF)は好中球の増殖,分化・成熟を調節している.この調節はG-CSFが細胞膜上でG-CSFレセプターに結合した後の細胞内刺激伝達系により伝達される.その増殖と分化・成熟の各々の刺激伝達には,広く分布するJak-Stat系やRas-MAPキナーゼ系が関与するが,これのみではG-CSFの特異性を説明出来ない. そこで,G-CSF刺激後早期に変動する増殖あるいは分化刺激伝達に関与すると考えられる蛋白の遺伝子を同定する.すなわち,G-CSFレセプターを有していないマウスBAF3細胞(proリンパ系),LGM1細胞,CTLL2細胞(Tリンパ系)にG-CSFレセプター遺伝子導入し,G-CSFに対する反応性の違いをマーカーとして各々の機能に関連する遺伝子を同定しクローニングを試みている. まず,発現ベクターに入れたG-CSFレセプターを作成した.これがマウスLGM1細胞などへは高効率で導入出来たことを確認した.クローン化されたG-CSFレセプター遺伝子をマウスCTLL2細胞に導入し,その発現をフローサイトメトリー,ウエスタンプロットで確かめている. BAF細胞がG-CSF刺激で強く増殖されにのに反し,マウスCTLL2細胞は増殖を認めない.このため2つの細胞で増殖・分化刺激伝達に重要と考えられるJakキナーゼ(Jak1,Jak2,Tyk2)のリン酸化の差を検出するためin vitro kinase assayで検索している. G-CSF依存性に増殖するマウス細胞株NSF60から得られたcDNAライブラリーを発現ベクターに組み込み,上記のCTLL2細胞に遺伝子導入し,G-CSFのみの存在下で増殖可能な細胞,すなわち,G-CSFの増殖シグナル伝達に必要な遺伝子(群)が導入された細胞,を選択中である.
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