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1999 年度 実績報告書

ATL細胞のウイルス非発現増殖:ストローマ細胞共培養におけるJAK/STAT系

研究課題

研究課題/領域番号 10670955
研究機関長崎大学

研究代表者

陣内 逸郎  長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (70162823)

研究分担者 塚崎 邦弘  長崎大学, 医学部, 助手 (40274659)
朝長 万左男  長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
キーワードATL / ストローマ細胞 / 長期共培養系 / cobble stone area / 接着分子 / シグナル伝達
研究概要

(1)MS-5細胞株との共培養系によるATL細胞株の増殖実験
ATL症例より樹立された細胞株を用いて、MS-5骨髄間質細胞株との共培養系における増殖動態を観察した。多くの細胞株において、MS-5のfeeder layerと接着ないしは潜り込んで、いわゆるcobblestone area(CA)を形成して増殖することが観察された。IL-2依存性細胞株においてもIL-2非存在下では同様の現象を観察した。この接着依存性細胞増殖機構には、接着分子を介したシグナル伝達系の関与が想定されるので、今後これらの同定と異常解析が必要である。
(2)MS-5細胞株との共培養系で増殖するATL細胞におけるHTLV-1ウイルスゲノムおよび宿主細胞遺伝子発現の異常解析
共培養系でCAを形成して増殖するATL細胞における、HTLV-1ウイルスゲノム発現の変化を解析した。CA形成細胞においてtax蛋白およびgag蛋白の発現は、CA非存在下に比較して低下ないしは消失していた(免疫染色)。現在、insitu hybridization法を用いて、tax遺伝子を始めとするウイルスmRNAおよびtax蛋白によって発現や機能に影響を受ける宿主細胞側の遺伝子mRNAの発現を解析中である。本実験系のウイルス遺伝子非発現状態でのATL細胞の増殖機構は、臨床病態のin vitroモデルになりうる。
(3)MS-5細胞株との共培養系で増殖するATL細胞におけるJAK/STATシグナル伝達系の解析
本培養系において増殖するATL細胞株では、ウイルスゲノムの発現が低下ないしは消失していることを受けて、ウイルス非発現状態におけるATL細胞の増殖機構におけるシグナル伝達、特にJAK/STAT系の活性化の変化を免疫沈降法とイムノブロット法等を用いて解析した。接着依存性増殖におけるATL細胞のシグナル伝達異常解析は、臨床病態を反映するものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsuda A,Jinnai I et al.: "New system for assessing the prognosis of refractory anemia patients"Leukemia. 13(11). 1727-1734 (1999)

  • [文献書誌] Yagasaki F,Jinnai I et al.: "Fusion of TEL/ETV6 to a novel ACS2 in myelodysplastic syndrome and acute myelogenous leukemia with t(5;12)(q31;pl3)"Genes Chromosomes Cancer. 26(3). 192-202 (1999)

  • [文献書誌] Miyawaki S.Jinnai I et al.: "No beneficial effect from addition of etoposide to daunorubicin,cytarabine,and 6-mercaptopurine in individualized induction therapy of adult acute myeloid leukemia"Int J Hematol. 70(2). 97-104 (1999)

  • [文献書誌] Miyawaki S,Jinnai I et al.: "Comparison of leukopenia between cytarabine and behenoyl cytarabine in JALSG AML-89 consolidation therapy.The Japan Adult Leukemia Study Group"Int J Hematol. 70(1). 56-57 (1999)

  • [文献書誌] Kiyoi H,Jinnai I et al.: "Prognostic implication of FLT3 and N-RAS gene mutations in acute myeloid leukemia"Blood. 93(9). 3074-3080 (1999)

  • [文献書誌] Tsukasaki K,Tomonaga M et al.: "Diversity of leukaemic cell morphology in ATL correlates with prognostic factors,aberrant immunophenotype and defective HTLV-1 genotype"Br J Haematol. 105(2). 369-375 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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