研究概要 |
Rap1はRasファミリーのG蛋白質の一つであるが、RASによる細胞癌化を抑制するというユニークな活性をもつ。我々はこれまでRap1のグアニンヌクレオチド交換因子のC3Gの活性調節機序に関して検討してきた。 今回の研究課題で、我々はアダプター蛋白質Crk存在下でC3Gの504番目のチロシンがリン酸化をうけており、またその交換活性が同時に上昇していることをみいだした。そしてそのチロシンをフェニルアラニンに置換した変異体ではCrk依存性の活性上昇がみられなかった。さらにCrk,Srcをトランスフェクションした3Y1細胞ではC3Gがチロシンリン酸化しているが、Rasをトランスフェクションしてもチロシンリン酸化は認められないことも発現した。C3Gのアミノ末端を順次欠損させた変異体では次第に交換活性が上昇していること、すなわちC3Gのアミノ末端は活性を陰性に調節していることもみいだした。 今後はtwo hybrid法を用いて、C3Gと結合する蛋白質をみいだして、C3Gの情報伝達系における役割に関して検討したい。
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