重要な発見があったので、以下に箇条書きにする。 1)pIClnを大腸菌に発現させると、菌の低浸透圧耐性は有意に増強する。 2)菌の浸透圧耐性増強に必要なアミノ酸配列は、酸性領域を含む46アミノ酸-ペブチドで十分である。 3)有核細胆(PPL-K1)では、低浸透圧に曝されるとpIClnは核周辺から細胞質内へ広がる。 4)骨格筋内のpIClnは、すべて一定サイズのアクチンーオリゴマー(6または7量体)と結合して存在する。 過去の研究報告を合わせて考察すると、 i)PIClnは細胞の低浸透圧耐性に関わる機構中の普遍的な分子に作用する。 ii)その分子に作用するのは、pIClnの酸性領域を含む限られたドメインで十分である。 iii)pIClnが作用する分子は細胞内部(特に細胞質)に存在する。
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