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1999 年度 実績報告書

腎糸球体上皮細胞の培養系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 10670987
研究機関新潟大学

研究代表者

矢尾板 永信  新潟大学, 医学部, 助教授 (00157950)

研究分担者 山本 格  新潟大学, 医学部, 教授 (30092737)
キーワード腎臓 / 糸球体 / 上皮細胞 / 足細胞 / 培養 / ポドカリキシン / シナプトポジン / WT-1
研究概要

多くの研究室で報告されている糸球体上皮細胞(VEC)の培養細胞の性質は、in vivoのVECの形質と大きく異なり、敷石様配列をとったものがほとんどである。この細胞の由来については、脱分化したVECであるとする意見とPEC由来の細胞であるとする意見が対立している。我々は、このような混乱を招いた原因のひとつとして、ボウマン嚢の被っていない単離された糸球体(G)から、ほとんど細胞が培養されてこないことに注目した。従来の糸球体単離のためのsieving methodには、腎組織片をメッシュに押しつける操作があり、これにより糸球体表面のVECが傷害を受け、死滅することが予想される。そこで、単に腎皮質を鋭いナイフで細切するだけで、単離されてくる糸球体を位相差顕微鏡下で拾い集めて、培養を試みた。その結果、Gからの細胞が生えだす率は著明に改善した。その細胞形態は、長い細胞突起を伸ばした不規則なものであり、敷石様配列の細胞とは明らかに異なっていた。これらは、Thy-1、vWF、RECA-1が陰性であり、メサンギウム細胞、内皮細胞とは異なるため、VEC由来であることが確かめられた。さらに、我々は、pan cadherinに対する抗体染色がPECに陽性でVECに陰性であることを発見した。これで培養細胞を検討すると、G由来の細胞は陰性であり、ボウマン嚢を被った糸球体から生えだす敷石様の細胞は陽性であった。以上のことから、敷石様の細胞はVEC由来ではなく、PEC由来、または尿細管が混入している場合は、尿細管上皮由来であることが明らかとなった。これらの系を使って、in vivoでのVEC特異マーカーを検討したところ、マーカーのいくつかのものは、敷石様細胞にも陽性になることが示され、in vivoで特異的であるものが培養系でも特異的であるとは限らないことが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 近藤大介,他: "Lacalization of olfactomedin-related glycoprotein(BMZ)in the Golgi apparatus of podocytes in rat kidney"J.Am.Soc.Nephrol.. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Laxman P.Adhikary,他: "Expression profile of extracellular matrix and its regulatory proteins during the process of interstitial fibrasis after anti-GBM antibody-induced glomoxlosclerosis"Pathol.Int.. 49. 726-730 (1999)

  • [文献書誌] 木原 達,他: "Origin of hyperplastic epithelial cells in idiopathic collapsing glomerulopathy"Histopathology. 34. 537-547 (1999)

  • [文献書誌] 矢尾板 永信,他: "Identification of renal podocytes in multiple species"Histochem.Cell Biol.. 111. 107-115 (1999)

  • [文献書誌] 後藤 眞,他: "Involvement of R-cadherin in the early stage of glomerulogenesis"J.Am.Soc.Nephrol.. 9. 1234-1241 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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