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1998 年度 実績報告書

高血圧による糸球体硬化症の発症・進展機序の解明とその予防

研究課題

研究課題/領域番号 10670998
研究機関島根医科大学

研究代表者

高畠 利一  島根医科大学, 医学部, 教授 (60111762)

研究分担者 川端 雅彦  島根医科大学, 医学部, 講師 (70291466)
キーワード高血圧 / 微小循環 / 糸球体硬化 / 腎機能 / 糸球体内圧 / 血管作動性物質 / ネフロン / ラット
研究概要

対称と方法:チオペンタール麻酔下の9-10、14-16、24-25週齢の高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、腎クリアランスならびに腎微小穿刺実験を行った。ヘンレ係蹄の灌流速度を40nl/minに増した際の近位尿細管stop frow圧(SFP)の減少率により尿細管糸球体フイードバック(TGF)の反応性を評価した。SFPは糸球体内圧を反映する。成績:1)腎クリアランス実験:9-10週齢よりすでにSHRの全身血圧は正常血圧Wistar-Kyotoラット(WKY)に比して高い。GFRは両群で差はないが、腎血漿流量(RPF)はSHRで小、濾過率(FF)はSHRで大である。総腎血管抵抗はSHRで明らかに大きい。14-16週齢のSHRでは9-10週齢と同様の腎血行動態の特徴が認められる。現在、24-25週齢の検討中である。2)腎微小穿刺実験:SHRとWKYのSFP減少率は、9-10週齢でそれぞれ33、22%とSHRで明らかに大である。14-16週齢では、両群の減少率は28%で差はない。24-25週齢では、SHRの減少率は35%と、14-16週齢に比し大である。非灌流時のSFPは、SHRの各週齢間で差はない。
考察と今後の展開:SHRのTGF反応は、9-10週齢の高血圧発症初期ではWKYに比し亢進している。高血圧の進展により、14-16週齢では一旦正常化し、24-25週齢で再び反応性は亢進の方向へ向かうことが示唆される。一方、全身血圧の上昇にも関わらず、24-25週齢まで糸球体内圧は正常である。これは糸球体前血管の収縮により糸球体内圧が保護されていることを示す。TGF反応の2相性の変化には、傍系球体装置内のアンジオテンシンII、NOあるいはアデノシンによる修飾、および高血圧による血管の器質的変化の関与が推測される。今後、血管作動性因子、糸球体硬化組織所見との関連性について検討を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Kawabata, T.Ogawa, T.Takabatake: "Effects of lemildipine,a new calcium channel blocker,on renal microcirculation in SHR." Hypertension Research. 21. 121-126 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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