上皮におけるCa channelの分子を明らかにするために、ショウジョウ蝿のTRP/TRPLを参考にホモロジークローニングも行い(1)TRP-3 analogueと(2)Capcisine受容体のファミリーの一つをそれぞれ、心臓および、腎臓よりクローニングした。 (2)について詳細に検討した;細胞容積に反応しNa/Caを通しCIを通さないチャネルでSIC(Strech-inactivated cation channel)と名づけた。563アミノ酸よりなり、Capcisine受容体のvariantである。ノーザンブロットのレベルではRNAは肝臓と腎臓に分布していた。腎臓では近位尿細管と糸球体に存在する可能性があった。SICはその名のごとく細胞の張力によって不活化されるチャネルで、生理学的には極一部で観察されていたチャネルの1つである。阻害薬Gdにもミクロモルレベルで反応し、張カ-活性関係も報告されている範囲の張力であった。Capcisineがheat(辛味)という物理因子に反応するようにSICが張力に反応する点は新しい知見である。張力をどのようにしてチャネルの活性と結びつけているのか、構造解析の結果が期待される。(1)は受容体に連動し、脳にのみ認められるTRP3のtrancated formである。736アミノ酸よりなり心臓よりクローニングしたが、ノーザンブロットのレベルでは検出できなかった。この分布に関してPCRを用い詳細に検討する予定である。また電気生理学的にはNa channelとして働く可能性があり、今後検討を要する。
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