研究概要 |
Alport症候群は、分子遺伝学的な研究によって、IV型コラーゲンα鎖遺伝子の変異による遺伝性糸球体腎炎であることが明らかになった。IV型コラーゲンα5鎖遺伝子(COL4A5)の変異による伴性優性遺伝型と、α3/α4鎖遺伝子(COL4A3,COL4A4)の変異による常染色体劣性遺伝型のAlport症候群の病態が次第に解明され始めた。さらに常染色体優性遺伝型Alport症候群やThins basement membran diseaseの原因も次第に明らかになりつつある。つまり、同じ常染色体性のCOL4A4やCOL4A4の関与が原因と目され始めている。 IV型コラーゲンα鎖のモノクローナル抗体を用いた免疫組織学的解析は、腎基底膜におけるα鎖の分布や構成を明らかにしただけでなく、Alport症候群の診断にも必須なものになりつつある。 我々は、今回の科学研究費による研究によって、我が国のAlport症候群患者の頻度、予後、さらに適切な診断法について検討することができた。
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