研究課題/領域番号 |
10671020
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
宇田川 潤 島根医科大学, 医学部, 助手 (10284027)
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研究分担者 |
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
大谷 浩 島根医科大学, 医学部, 教授 (20160533)
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キーワード | レプチンレセプター / マウス胎仔 / 中枢神経 / Northern blotting / in situ hybridization |
研究概要 |
本研究では、子宮外発生法を用いてレプチンの発生における役割を明らかにすることが目的であるため、まずレプチンを投与し、作用させる時期あるいは部位を特定するために、レプチンレセプターのmRNAの発現を胎仔および新生仔マウスの各発生段階において検討した。レプチンレセプターは大きくlong・shortおよびsoluble formに区別される。このうち成獣において視床下部などの中枢神経系に発現し食欲に関連するだけでなく、神経内分泌や免疫系にも関連すると考えられているlong form(Ob-Rb)の、特に中枢神経系におけるmRNA発現について焦点を絞り検討した。この結果、Northern blottingにおいては胎生16.5日目から、in situ hybridizationにおいては14.5日より発現が認められた。in situ hybiridizationにより、発現パターンをさらに詳しく検討すると、Ob-Rb mRNAは胎生14.5日では前脳および中脳の皮質にのみ認められたが、胎生16.5日には顔面神経核や蝸牛神経核などの脳神経核に発現が認められるようになった。生後0.5日目には視床下部背内側核に、また、大脳皮質では特に錐体細胞に発現が強く認められるようになった。生後3.5日目になると視床下部の弓状核、満腹中枢である腹内側核、摂食中枢である外側野にも発現が認められ、成獣における発現パターンとほぼ一致するようになることか明らかとなった。そこで現在、胎仔マウスの中枢神経系にOb-Rb mRNAか発現した後、すなわち胎生14.5および16.5日に、子宮外発生法を用いて胎仔脳室内にレプチンを投与し、その発生に及ぼす影響を形態学的および生化学的に検討中である。
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