研究課題/領域番号 |
10671020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
宇田川 潤 島根医科大学, 医学部, 助手 (10284027)
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研究分担者 |
橋本 龍樹 島根医科大学, 医学部, 助手 (90252907)
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
大谷 浩 島根医科大学, 医学部, 教授 (20160533)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | レプチン / Ob-Rb / マウス胎仔 / 発生 / 中枢神経系 |
研究概要 |
レプチンの胎生期における機能を明らかにするため、本研究において、まずレプチンレセプター(Ob-Rb)mRNAの発現パターンを胎仔および新生仔マウスにおいて検討した。その結果、中枢神経系において、RT-PCR法では既に胎生10.5日に、in situハイブリダイゼーション法では胎生11.5日より菱脳、12.5日より終脳及び中脳の神経上皮層に認められた。胎生14.5日には終脳の皮質板や視床、16.5日には視床下部や小脳、顔面神経核などにも認められた。よって、マウスの胎仔発生にレプチンが関与していることが考えられた。そこで次に、レプチン欠損(ob/ob)及び野生型(C57BL/6J)マウスの胎仔の形態を比較したところ、胎生16日および18日のob/obおよび野生型マウス胎仔において、頭殿長および体重に差は認められなかった。しかしながら、中枢神経系のニッスル染色切片を観察したところ、胎生16日のob/obマウスでは、野生型マウスと比較して中脳が小さかった。胎生18日の胎仔については、現在観察中である。 さらに、子宮外発生法を用いて、ob/obマウス胎仔脳室内にレプチンを注入し、発生に関するレプチンの機能を検討した。なお、対照群には溶媒のみを注入した。胎生14日にレプチンを1mgあるいは200ng投与し、胎生16日に観察したところ、対照群と比較して前者では頭殿長および体重の減少が認められ、後者では体重のみの減少が認められた。一方、胎生16日にレプチンを投与し、18日に観察した群では、1mgおよび200ng投与群とも対照群との間で頭殿長および体重に差は認められなかった。レプチン投与による中枢神経系の発生の形態学的変化については、現在解析中である。 以上より、胎仔の発生、特に頭殿長、体重および中枢神経系の発生にレプチンが関与していることが示唆された。
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