研究概要 |
本研究の目的は、酸素センサー遺伝子をクローニングすることにある。 低酸素による遺伝子誘導は、その転写活性化機構が詳細に検討されているため、酸素センサー遺伝子を同定する系として最も適切と考えられる。酸素刺激が、酸素センサー--->シグナル伝達系---->HIF-1--->標的遺伝子--->動脈管の閉管および肺動脈の弛緩と伝達されるスキームを考えて実験を進めている。 低酸素刺激に応答するエンハンサーとして、これまで、Phosphofluctokinase L,Lactate dehydrogenase A,および、Erythropoietin遺伝子の制御配列を用いてエンハンサー活性を検討してきた。Erythropoitinのエンハンサーを直列に4個結合し,SV40プロモターの制御下に転写が開始するキメラ遺伝子が低酸素応答性をモニターするプラスミッドベクターとして優れていることが明らかになった。レポーター遺伝子としてGreen Fluorecence Protein(GFP)のいくつかの変異体を検討した結果、Packard社から販売されているGFPレポーターが最も蛍光収率がよいことが明らかとなった。 午後、上記遺伝子を安定的に発現する細胞を用いて、酸素応答性の変異した細胞を作成し酸素センサー遺伝子をクローニングする予定である。
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