研究課題/領域番号 |
10671030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 克敏 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00292863)
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研究分担者 |
安東 克之 東京大学, 保健管理センター, 講師 (60184313)
下澤 達雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90231365)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | mitogen-activated protein kinase / 血管 / 動脈硬化 / advanced glycation end product / 酸化LDL / インターロイキン8 / LOX-1 / filipin / マイクロドメイン |
研究概要 |
1、血管構成細胞におけるp38MAPK活性制御 ラット血管平滑筋細胞株A10VSMCならびにウシ大動脈由来内皮細胞BAECで、浸透圧刺激、EGF刺激、LPS刺激等の刺激は、p38MAPK経路を活性化したこの分子機構に関しては、コレステロール結合試薬filipinが活性化を阻害したことなどから、caveolae, raft等のコレステロール含量の多い細胞膜マイクロドメインが必須であることが示唆された。 2、p38MAPKの血管生物学的役割の解析 p38MAPKの血管標的分子候補として、3'-UTRにAU-rich elementを有する分子群のうちlL-8と内皮型新規酸化LDL受容体LOX-1について検討した。A10VSMCにおいて、AGE-BSAは、ERK活性化とIL-8産生を惹起し、MEK1阻害剤PD98059がIL-8産生を減弱したことから、このIL-8産生過程にはERK経路の関与が示唆されたが、p38MAPK経路の主な関与は否定的であった。次に、BAECにおいて、LOX-1遺伝子発現はAGE、LPS、TNFα、shear stressにより亢進した。AGEによるLOX-1発現では、RNA半減期は変化せず、SB203580の効果もなかったことから、AU-rich elementやp38MAPKの役割はやはり否定的であった。なお、AGEによるLOX-1遺伝子誘導は、酸化的ストレス産生や細胞内Ca増加が媒介することが明らかになり、この実験結果は、糖尿病や加齢による血管壁AGEが、酸化ストレス依存性にLOX-1分子を誘導し、さらに誘導LOX-1が活性化されて酸化ストレス産生量がさらに増加する悪循環に陥る可能性が考えられる。
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