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1999 年度 実績報告書

インスリン様成長因子II(IGF-II)の病態,生理的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671043
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

肥塚 直美  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80147397)

研究分担者 福田 いずみ  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80238477)
キーワードIGF-II / 腫瘍 / 低血糖 / NICTH
研究概要

インスリン様成長因子II(IGF-II)の病態生理学的意義に関して以下に示す検討を行った。
腫瘍組織におけるIGF-II遺伝子のloss of imprinting(LOI)に関する検討:IGF-II遺伝子は母親由来の対立遺伝子が発現せず,父親由来対立遺伝子のみが発現している(genomic imprinting)。IGF-IIが腫瘍の成長,増殖に関与するが,一部の腫瘍の発症機序としてloss of imprinting(LOI)により生ずるIGF-II遺伝子の過剰発現が想定されている。我々は腫瘍におけるIGF-II遺伝子のLOIについて,Apa Iによるexon9内の制限酵素断片長多型を用い検討してきた。Ape Iによる切断は時として不明瞭な結果をきたすことがあり,この問題を解決するためにAllele-Specific PCR(AS-PCR)法を用いて低血糖を呈する膵外腫瘍(Non-islet cell tumor hypoglycemia:NICTH)におけるIGF-II遺伝子のLOIについて検討した。IGF-II遺伝子は検討した10例の組織で全てに発現しており,7例がヘテロ接合体であった。この7例のうち5例にLOIが認められた。Ape Iによる制限酵素断片長多型を用いた方法と比較したところ、Ape Iを用いた場合一例においてLOIが認められるともとれる薄いバンドを検出したが,AS-PCRでは認めなかった。以上の成績によりAS-PCR法はIGF-II遺伝子のLOIを検討するために,簡便かつ有用な方法であることが示唆された。
抽出操作なしの血清IGF-IIのWesterm immunoblotの臨床応用の有用性の検討:IGF-II産生NICTHのスクリーニングにはWestern immunoblot(WIB)法による大分子量のIGF-IIの測定が有用であるが,IGF-IIは血中でIGFBPと結合して存在するため、WIBのサンプルとして血清IGF-IIの酸-エタノール抽出物を用いてきた。本研究ではこの前処理なしに全血清を用いて,より簡便に大分子量IGF-IIの検出が可能か否か検討した。血清量として4〜10μLを用いて抽出操作なしのWIBでは酸-エタノール抽出物を用いたWIBと同様にIGF-IIのサイズの解析は可能であり,より簡便にスクリーニングしうる方法であると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fukada I,Hotta M,Hizuka N et al.: "Decreased serum levels of acid-labile subunit in the patients with anorexia nervosa"J,Clin,Endocrinal,Metab. 84. 2034-2036 (1999)

  • [文献書誌] Hotta M,Fukud I,Sato K,Hizuka N,et al.: "The relationship between bone turnover and body weight, serum IGF-I,and serum IGFBP levels patients with anorexia nervosa"J,Clin,Endocrinol,Metab. 85. 200-206 (2000)

  • [文献書誌] Itoh 5,Hizuka N,et al.: "Usefulness of allele-specific polyme-rare chain method to study for loss of imprinting of IGF-II gene in tumors"Growth Hormone and IGF Research. 9. 341 (1999)

  • [文献書誌] 森 公介,大朏祐治,肥塚直美: "低血糖発作で発見された左胸腔内のIGF-II産生solitatry fibrous tumorの1例"日本呼吸器学会雑誌. 37. 834-840 (1999)

  • [文献書誌] 肥塚直美: "インスリン様成長因子(IGF)の医学への応用"Bio Clinica. 14. 1112-1116 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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