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2000 年度 実績報告書

インスリン様成長因子II(IGF-II)の病態生理的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671043
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

肥塚 直美  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80147397)

研究分担者 福田 いずみ  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80238477)
キーワードIGF-II / 腫瘍 / 低血糖 / NICTH
研究概要

インスリン様成長因子II(IGF-II)の病態生理学的意義に関して本年度は以下に示す知見を得た。
低血糖を呈する膵外腫瘍が産生する大分子量IGF-IIの性状
【背景および方法】低血糖を呈する膵外腫瘍(Non-islet cell tumor hypoglycemia:NICTH)の中にはIGF-IIを産生しているものがある。このIGF-II産生NICTHでは大分子量IGF-IIを産生しているが,この大分子量IGF-IIの本態は明らかではない。IGF-IIは156アミノ酸(AA)よりなるproIGF-II(IGF-II(67AA)のC端側に89AAよりなるE-domain)として合成され,processingをうけてE-domainが切断されIGF-IIが生成される。この切断の過程で大分子量IGF-IIが生成されると考えられている。健常人でも少量の大分子量(〜11kDa)のIGF-IIが血中に存在するが,この大分子量IGF-IIはIGF-IIにE-domainのN端側に21AAのついたもの(pro-IGF-II-(E1-21))で,E-domainのThrにO型の糖鎖が結合していると考えられている。我々はNICTHでは大分子量IGF-IIのサイズは約11〜18kDaと症例によって異なるが血清をO-glycosidaseにより処理した後にサイズを検討すると,どの症例のIGF-IIの分子量もほぼ9.5kDaと減少するより,NICTHにおける大分子量IGF-IIはpro-IGF-II-(E1-21)であり,O型糖鎖の違いにより分子量が異なるものと推論した。本研究ではproIGF-IIのE-domainのN端側(E10-21)とC端側(E71-89)を認識する特異抗体を用い,NICTHにおける血中大分子量IGF-IIをWesterin immunoblotで検討した。
【結果】N端側(E10-21)を認識する抗体ではNICTHでは18〜20kDaの免疫活性を認めたが,健常人血清ではごくわずかな免疫活性(〜10kDa)を認めた。C端側(E71-89)抗体ではNICTHでは〜10kDaの免疫活性を認め,この抗体がIGF-IIを認識しないことから,C端fragmentと考えられた【考案】NICTHにおける大分子量IGF-IIはfull lenghth proIGF-IIではなく,そのprocessingの結果生成されるpro-IGF-II-(E1-21)であり,その副産物のC端fragmentも血中に存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hotta M,Fukuda I,Sato K,Hizuka N, et al.: "The relationship between bone turnover and body weight, serum IGF-I, and serum IGFBP levels in patients with anorexia nervosa."J.Clin,Endocrinol Metab. 85. 200-206 (2000)

  • [文献書誌] Hizuka N, et al.: "Clinical relevance of IGFBPs."Growth Horm IGF Res. 10. A33-34 (2000)

  • [文献書誌] Fukuda I,Hizuka N, et al.: "The utility of serum acid labile subunit measurement in patients with adult GH deficiency and acromegaly."Growth Horm IGF Res. 10. A36 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤竜児 他: "IGF-II産生S状結腸腸間膜原発肉腫により遷延性低血糖できたした一例."日本内分泌学会誌. 76Supple. 151-154 (2000)

  • [文献書誌] Ishi Kawa Y,Hizuka N, et al.: "Clinical application of Western immunoblot of insulin-like growth factor II using unextracted serum."Clin Pediatr Endocrinol. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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