研究概要 |
1、内皮型一酸化窒素合成酵素(ecNOS)遺伝子に関し、123名の高血圧患者と120名の健常者を比較し、イントロン4に存在するtandem repeatが本態性高血圧症と有意な関連を持っている事を認めた(American Journal of Hypertension 1998;11:125-128)。さらに、ecNOS遺伝子の心血管疾患における役割について報告した(Current Opinion in Nephrology and Hypertension 1999;8:83-87)。 2、プロスタサイクリン合成酵素(PGI2)遺伝子のイントロン7に新たにマイクロサテライトを発見し、本態性高血圧症との関連調査を行ったが、有意な関連は認めなかった(Recent Advances in Prostaglandin,Thromboxane,and Leukotriene Reseach 1998;127-130)。 3、ヒトA型ナトリウム利尿ペプチドレセプター(hNPRA)の遺伝子構造をLong PCR法を用いて決定した。hNPRA遺伝子は、全長16kb以上で、22個のエキソンと21個のイントロンから成っていた(Biochemical and Biophysical Reseach Communications 1998;246:736-739)。 4、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドレセプター(hNPRB)の遺伝子構造をhNPRAと同じ方法を用いて、また5'上流領域をThermal Asymmetric Interlaced-PCRにて決定した。hNPRB遺伝子は、全長16.5kb以上で、22個のエキソンと21個のイントロンから成り、TATA boxを持たない遺伝子であった。さらに、イントロン2にマイクロサテライトマーカーを発見し、この多型が本態性高血圧症と関連することを認めた(Circulation Research,in press)。 5、アデノシンA2aレセプター遺伝子多型についての検討では、本遺伝子は本態性高血圧症と関連しないことが明らかとなった(American Journal of Hypertension 1999;11:1492・1494)。
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