研究課題/領域番号 |
10671053
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 譲 東北大学, 医学部, 助教授 (60125565)
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研究分担者 |
玉川 明朗 東北大学, 医学部, 助教授 (80188416)
高橋 和眞 東北大学, 医学部, 助手 (60292215)
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キーワード | NIDDM / 2型糖尿病 / KK-Ayマウス / CFA / IL-1 / UCP-2 |
研究概要 |
(1) サイトカイン誘起剤によるKK-Ayマウスの耐糖能の改善におけるモノカインの関与とUCP-2の発現増強: 肥満2型糖尿病モデルのKK-Ayマウスにサイトカイン誘起剤(フロインドの完全アジュバント:CFA)を投与すると、ipGTTで評価した耐糖能か著明に改善した。この改善は、抗IL-1抗体の前投与によって解除されたことから、CFAによる耐糖能の改善にはIL-1が関与していることが示された。CFA長期投与KK-Ayマウスは、食事摂取量が変わらないにもかかわらず、生食投与対照に比較して体重増加が有意に小さいことから、エネルギー消費の増大か疑われた。CFA投与によるエネルギー消費の増大の機序として、サイトカインによって発現が増強することが示唆されているuncoupling protein(UCP)-2の発現増強が考えられ、KK-AyマウスにおけるUCP-2の発現を解析した。 KK-Ayマウスの脾臓、白色脂肪組織、筋肉におけるUCP-2-mRNAの発現をcDNAプローブ(大日本製薬KKより供与)を用いたノーザンブロット法よって検出した。UCP-2-mRNAは白色脂肪細胞、脾臓、筋肉で発現していた。CFAの投与後、脾臓におけるUCP-2-mRNAの発現は1.5〜2倍に増強した。脂肪、筋肉における発現も増強傾向にあった。CFA投与によるKK-Ayマウスの耐糖能の改善にはサイトカインを介したUCP-2の発現増強が関与している可能性が示唆された。 (2) 食事性体温上昇を指標にしたUCP-2およびUCP-3機能異常者のスクリーニング: 肥満NIDDM患者および非糖尿病者を対象に、食事性体温上昇を赤外線鼓膜体温計にて測定した。しかし、体温上昇度は症例によってバラツキが大きく一定の傾向や、体温上昇の特に低い患者は見つからなかった。この方法によるUCP-2およびUCP-3機能異常者のスクリーニングを断念した。
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