研究課題/領域番号 |
10671058
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚本 和久 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20251233)
|
研究分担者 |
橋本 佳明 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40172879)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | アポ蛋白E / アイソフォーム / 動脈硬化 / 中性脂肪 / 泡沫化マクロファージ / コレステロール逆転送系 / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
アポ蛋白Eは脂質代謝・動脈硬化症に非常に重要な関連を有するアポ蛋白であり、そのアイソフォーム間でも臨床像に相違が存在することが疫学的に認められている。本研究では、アポ蛋白Eアイソフォ-ムの1)動脈硬化巣を構成する泡沫化マクロファージに対する効果の相違の検討、ならびに2)中性脂肪代謝に対する効果の相違の検討を行う目的で、アデノウイルスベクターを用いて以下の実験を行った。まず内因性にアポEを産生しないマクロファージ系培養細胞RAW264.7をアセチル化LDLを用いて泡沫化させた後、ウイルスを直接RAW264.7細胞に感染させてアイソフォームを発現させたところ、E3およびE4と比較してE2によるコレステロール引き抜き作用が最も良好であった。また、HeLa細胞にウイルスを感染させて採取したアポEアイソフォームを含有する培養液を泡沫化マクロファージに添加してコレステロール引き抜きを検討したところ、E3がE2・E4に比較して引き抜き効果が顕著であった。一方、中性脂肪水解効果の相違を検討する目的で、アポE・LDL受容体ダブル欠損マウスにウイルスを投与して各アイソフォームを含有するVLDLを作成し、アポE/TG比を振って水解率を検討したところ、すべてのアイソフォームにおいて中性脂肪水解抑制効果がみとめられ、かつアポE/TG比が高くなるとE2の抑制効果がE3・E4よりも強いことが判明した。以上、1)アポ蛋白Eはそのアイソフォームによりマクロファージからのコレステロール引き抜き効果に相違があり、かつ内因性・外因性という条件でその効果に相違が生じること、2)中性脂肪代謝に対してはアポEは阻害的に作用し、かつアイソフォーム間でも効果の相違が認められること、が明らかとなった。
|