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1998 年度 実績報告書

トランスジェニックマウスを用いたインスリン抵抗性発症の臓器特異性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10671062
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

前川 聡  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00209363)

キーワードチロシンホスファターゼ / SHP-2 / インスリン抵抗性 / トランスジェニックマウス
研究概要

【個体レベルのインスリン抵抗性の検討】
正確でより定量的にインスリン抵抗性の存在を明らかにするため、ソマトスタチンを用いた恒常血糖値法にて、個体全体としてのインスリン感受性を測定したところ、Steady Stale Plasma Glucose値が正常マウスの約2倍とTgマウスの骨格筋にインスリン抵抗性が存在することが明かとなった。さらにTgマウスの単離soleus筋において2-deoxy-gluocseを用いて測定した糖取り込み能は、生理濃度のインスリン存在下で障害されていた。また、単離脂肪細胞を用いた検討でも同様な糖輸送の障害が認められた。
【各臓器におけるインスリンシグナルの検討】
Tgマウスにインスリン注射を行い、臓器別にインスリンシグナルの変化をIRS-1のリン酸化、PI'3キナーゼ活性、PKB活性、MAPキナーゼ活性などで検討した。骨格筋、肝臓および脂肪細胞において、強弱の程度の差はあるものの、ほぼ同様な障害が認められた。すなわち、IRS-1のリン酸化の低下、PI'3キナーゼ活性、PKB活性の低下、さらに基礎状態でのMAPキナーゼ活性の亢進とインスリンによる刺激効果の消失が認められた。
【Tgマウスの特質、特にSyndrome Xモデル動物になり得るかの検討】
高インスリン血症と各臓器におけるインスリン抵抗性が、高血圧症をきたすか否かを検証するため、各個体の血圧を測定したところ、Tg群においてnon-Tg群との間に有意な差を認めなかった。現在その詳細について検討中である。
【SHP-2のインスリン作用への影響の検討:培養細胞での検討】
新たに、SHP-2がp130Cas蛋白の脱リン酸化に関与することを示唆する成績が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Obata T,Maegawa H,et al: "High-glucose-induced abnormal Epidermal growth factor signaling." J.Biochem,Tokyo. 123. 813-820 (1998)

  • [文献書誌] Fujita T,Maegawa H,et al: "Opposite Regulation of Tyrosine-phosphorylation of p130^<Cas> by Insulin and Insulin-like Growth Factor I." J.Biochem,Tokyo. 123. 1111-1116 (1998)

  • [文献書誌] Maegawa H,et al: "A New Antidiabetic Agent(JTT-501)Acutely Stimulates Glucose Disposal Rates by Enhancing Insulin Signal Transduction in Skeletal Muscle" Diabetologia. 42. 151-159 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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