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1998 年度 実績報告書

脂肪細胞分化におけるPI3キナーゼ活性化機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10671073
研究機関神戸大学

研究代表者

小川 渉  神戸大学, 医学部, 助手 (40294219)

キーワードPI3-キナーゼ / 脂肪細胞 / 分化 / チロシンキナーゼ
研究概要

脂肪細胞分化過程におけるPI3-キナーゼ活性化機構を明らかとするため、本年度は分化の過程で発現するP13-キナーゼ結合蛋白の同定を試みた。3T3-Llや3T3-F442Aといった培養前駆肪細胞を分化誘導すると、分化中期にPI3-キナーゼの一過性の活性化が生じる。この時期に一致して、少なくとも3種の蛋白が強くチロシンリン酸化を受けるが、研究代表者はそのうち分子量約180kDaの蛋白がIRS(jnsulin receptor substrate)-1であることを見い出した。IRS-1は分化過程でチロシンリン酸化を受けるとともにPI3-キナーゼと結合し、これを活性化することも明らかとなった。また、IRS-1に類似した分子であるIRS-2も脂肪細胞の分化過程でチロシンリン酸化を受けるが、IRS-2はPI3-キナーゼの主要な結合蛋白ではないことが示唆された。さらに、ドミナントネガティブ型変異PI3一キナーゼを過剰発現させると脂肪細胞の分化が分化後期におけ脂肪細胞特異的蛋白の翻訳のステップで抑制された。このことから、PI3-キナーゼの活性化は分化における蛋白の翻訳調節に重要な機能を果たすことが明らかとなった。また、既知のチロシンリン酸化酵素が分化過程で活性化されるか否かも検討したが、すでにIRS-1をリン酸化することが知られているJakファミリーチロシンリン酸化酵素(Jak1、Jak2、Jak3、Tyk2)、また受容体型チロシンリン酸化酵素であるインスリン受容体やIGF-1受容体は有意な活性化を受けないことが明らかとなり、これらのチロシンリン酸化酵素は脂肪細胞分化過程におけるPI3-キナーゼ活性化には関与しないことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Sakaue,W.Ogawa,M.Matsumoto 他: "Posttranscriptional Control of Adipecyte Differentiation through Activation of Phosphoinositide 3-kinase" The Journal of Biological Chemistry. 273・44. 28945-28952 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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