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1998 年度 実績報告書

膵β細胞SUR・Kir6.2蛋白間構造機能連関制御因子についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671080
研究機関鹿児島大学

研究代表者

加計 正文  鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (90214270)

研究分担者 矢田 俊彦  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
キーワードインスリン分泌 / イオンチャネル / 糖尿病 / スルフォニル尿素薬 / β細胞
研究概要

膵β細胞のATP感受性K^+チャネル(K-ATPチャネル)はインスリン分泌機構において極めて重要な働きをしている。このチャネルはβ細胞の静止膜電位を決定しているイオンチャネルであり、このチャネルの抑制はグルコース刺激時にみられる最初のβ細胞膜応答である。一方、スルフォニル尿素(SU)剤はその固有のレセプターに結合することによりK-ATPチャネルの抑制をもたらし、インスリン分泌を刺激することが知られている。
本研究では、ATP感受性K^+チャネルのサブユニットであるスルフォニル尿素レセプター(SUR)、内向き整流性K^+チャネル(Kir6.2)蛋白間の情報伝達機序を明らかにすることを目的とし以下の実績を得た。
1) トルブタミド(スルフォニル尿素薬)はK-ATPチャネルを抑制するが、細胞膜を高濃度のCa^<2+>(2μM)で処理すると本薬剤に対する感受性を減少した。
2) この時、チャネルのADPによって活性化される作用も同時に消失していた。
3) しかし、ATPによるチャネル抑制作用は保たれていた。
4) 膜リン脂質であるPIP2はこのCa^<2+>によるチャネル蛋白性質の変容作用を防止した。
5) これらの結果から、Ca^<2+>+は膜内のPIP_2の濃度を減少させることによりチャネルのトルブタミドとADPに対する感受性に変化を及ぼすことが考えられた。このことはSURからKir6.2への信号の伝達過程(スルフォニル尿素薬やADPの刺激の伝搬)にPIP_2が必要であることを示唆する。また、ATPはPIP_2と共同してこれらの蛋白感の機能的連絡を有効に保つ作用があることも明らかになった。
これらの研究成果は第41回日本糖尿病学会総会、米国糖尿病学会にて発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Nakazaki: "Repetitive transient mitochouclrial Ca^<2+> signals synchronize with cytosolic Ca^<2+> oscillation in parcreatic βcell line,NIN6" Diabetologia. 41. 279-286 (1998)

  • [文献書誌] L.Xie: "Wortmauin,an suibitor of phosphatidyliuositol Kinases,blocks the MgATP-dependent recovery of Kir6.2/SUR2A channels" Journal of Physiology. 514・3. 655-665 (1999)

  • [文献書誌] N.Koriyama: "A case of venal juxtaglomerular cell tumor:usefulness of the seqmental sampling to prove autocuinec secvetion of the fumor" American Journal of Medical Science. (in press).

  • [文献書誌] T.Yada: "Inhibition by symbustatin,but not pravastatin,of glucose-induced cytosolic Ca^<2+> sigualing and insulin secretion due to blockade of L-type Ca^<2+> channels in rat islet β-cells" British Journals of Phanmacology. 126. 1205-1213 (1999)

  • [文献書誌] M.Okamura: "A novel modulation of cavdiac K-ATP channel by PZP_2=Dependency on the presence of ATP" Circulation. 98. I-125-Z-125 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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