研究課題/領域番号 |
10671095
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
織井 崇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282048)
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研究分担者 |
安藤 健二郎 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261614)
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188839)
大河内 信弘 東北大学, 医学系研究科, 助教授 (40213673)
中鉢 誠司 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90302108)
関口 悟 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20312580)
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キーワード | 肝移植 / 脂肪肝 / ラット脂肪肝モデル / ミトコンドリアATP産生能 / 類洞内皮細胞障害 / リポゾーム封入クロドロネート |
研究概要 |
4.肝移植成績の検討(平成10年度からの継続) コレステロール添加飼料を給飼して作成した脂肪肝ラットを用い、冷保存時間を1時間から24時間おいた後、カフ法を用いて同所性肝移植を行い、正常肝(対照群)を用いた場合と生存率を比較した。正常肝をグラフトとすると、冷保存時間が1時間、6時間、12時間では100%のラットが1週間以上生存したのに対し、脂肪肝をグラフトとすると冷保存時間が1時間では全例が1週間以上生存したが、冷保存時間が6時間では40%、12時間では全例が1週間以内に死亡した。この冷保存を6時間おいた後の肝移植実験において、冷保存中の肝のミトコンドリアATP産生能は、正常肝と脂肪肝の間で有意差を認めなかったが、血流再開後の虚血再灌流障害による類洞内皮細胞障害が脂肪肝では強く現れることが分かった。 5.薬剤投与による肝移植実験 この虚血再灌流障害を予防するため、リポゾーム封入クロドロネートを24〜48時間前に投与して虚血再灌流障害に強く関与する肝クッパー細胞を消去し、さらにNM(メスル酸ナファモスタット)リンス液にて蛋白分解酵素を阻害することにより肝移植後の生存率を向上させうるかを検討したが、脂肪肝移植後の生存率を改善させるには至らなかった。現在肝の脂肪化を防ぐ効果のあるバリンrichなアミノ酸輸液を、移植前ないしは移植後からレシピエントの中心静脈より投与し、生存率の向上が得られるかどうかを引き続き検討中である。
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