研究概要 |
平成10年度は研究計画に沿って以下の検討を行った。 1. ラット膵島の胸腺内同種移植 ラット膵島を用いて胸腺内同種移植を行い,免疫隔離部位としての有効性につき検討した.同種移植された膵島は,移植時のALS一回投与にて,100日以上の生着が得られ,また胸腺の組織像にて正常な形態を保った膵島がみられ,胸腺の免疫隔離部位としての有効性が確認された. 2. ラット膵島胸腺内移植による移植膵の生着延長効果 ラット膵島を胸腺内同種移植後,3週間後にラット膵(膵島と同系)を頚部に同種移植し,生着を検討した.実験群の膵の生着日数は対照群と比較して有意な生着延長効果を示さなかった.現在,膵島のみでなく外分泌細胞も含めた胸腺内移植を先行させてから膵移植を行い,効果につき検討中である. 3. マウス同系膵島移植におけるVEGFコラーゲンマトリックスの生着促進効果マウス膵島移植モデルにて,VEGFコラーゲンマトリックスにてコーティングした膵島を作成し,同系移植した.本法により,少ない膵島数での血糖正常化が得られ,移植膵島の構築保護,移植膵島への血管新生が促進された.
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