研究課題/領域番号 |
10671098
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
織田 成人 千葉大学, 医学部, 講師 (90204205)
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研究分担者 |
中西 加寿也 千葉大学, 医学部, 助手 (80272326)
志賀 英敏 千葉大学, 医学部, 助手 (20282478)
菅井 桂雄 千葉大学, 医学部, 助教授 (10187627)
平澤 博之 千葉大学, 医学部, 教授 (80114320)
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キーワード | 多臓器不全 / 重症度評価法 / 細胞障害 / アノキシックネクローシス / アポトーシス / CIS / ODAS |
研究概要 |
本研究は、多臓器不全の重症度を、その本態である細胞障害度の面から検討し、新たな重症度評価法を確立することを目標としている。本年は臨床的検討として、従来よりわれわれが考案し、多臓器不全患者の重傷度評価法として用いてきた。主にアノキシック・ネクローシスによる細胞障害度を評価する指標であるcelluiar ingury score(CIS)を用いて、過去5年間の多臓器不全患者の経過を詳細に分析し、多臓器不全の重症度評価法としてのCISの有用性を再評価するとともに、現時点でのCISよりみた救命限界を特定することを試みた。157例の多臓器不全患者の検討より、CISは多臓器不全患者の予後をよく反映するとともに、患者個々の重傷度を評価可能であることが確認された。またROC分析により、多臓器不全患者の現時点での救命限界値は4(CISの範囲は0〜9)であることが明らかとなった。さらに多臓器栓の予後の観点から、新たに各重要臓器機能を個々に評価する臓器障害評価スコア(organ dysfunctoin assessment,ODAS)を考案し、多臓器不全に陥る以前の患者における重症度評価法としての有用性の検討を開始した。基礎的検討として、アポトーシスによる細胞障害を評価する方法を確立するため、ヒトリンパ球を用いてアポトーシスを誘導し、形態学的ならびに定量的分析が可能となるように各種の機材を購入し、予備実験をおこなった。さらに細胞死の指標の一つとされる nuclear matrix protein(NMP)測定のための機材の整備を行うとともに、アポトーシスによる細胞死の関与が考えられるICU長期入室多臓器不全患者より検体を採取した。
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