研究課題/領域番号 |
10671098
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
織田 成人 千葉大学, 医学部, 助教授 (90204205)
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研究分担者 |
中西 加寿也 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272326)
志賀 英敏 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20282478)
平澤 博之 千葉大学, 医学部, 教授 (80114320)
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キーワード | 多臓器不全 / 重症度評価法 / 細胞障害 / アノキシック・ネクローシス / アポトーシス / CIS / SOFA / 予後予測 |
研究概要 |
本研究は、多臓器不全の本態である細胞障害を、アノキシック・ネクローシス及びアポトーシスの面から検討し、多臓器不全患者の治療方針決定や予後予測に有用な新しい重症度評価法を確立することを目的としている。最終年度は、臨床研究として、従来より我々が多臓器不全患者の重症度評価法として臨床応用してきたアノキシック・ネクローシスによる細胞障害度を評価するcellular injury score(CIS)と、臓器障害を評価するsepsis-related organ failure assessment score(SOFA)を、多臓器障害患者において測定し、重症度評価法としての有用性をプロスペクティブに比較検討した。その結果、SOFAとCISは同等に重症度評価法として有用であり、予後予測の指標としても同程度であるとの結果が得られた。一方、その推移には違いがみられ、この両者を同時に測定して推移を評価することにより、より正確な予後予測が可能となると考えられた。一方、アポトーシスの指標を検索するため、多臓器不全患者血液中のアポトーシス関連蛋白である、NMPやFas ligand、各種サイトカインを測定し、予後や重症度との関連を検討したが、アポトーシスを定量的に評価する特異的な指標は見出せなかった。結果として、CISにアポトーシスの指標を加えて新たな重症度評価法を確立するという目的は達成できなかったが、CISとSOFAを同時に測定しその推移を比較することで、従来の重症度評価法よりも正確な予後予測が可能であり、この方法が現状では最も適確な多臓器不全の重症度評価法であると考えられた。これらの研究成果に関して4回の学会発表を行い、邦文2編、英文1編の論文を発表した。
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