新素材膜を使用したハイブリッド型人工膵を作成し、in vitroでインスリン分泌を確認することを目的として以下の実験を行った。 我々が実験に使用する中空糸は(株)クラレの御好意で提供されたポリスルホン性の膜で、内径は0.5mm、外径は0.8mmである。大きさ100〜200μのラ島約50個を0.1mlのRPMI1640に浮遊させ、長さ60cmの中空糸膜の一端からゆっくり注入した。両断端は外科用クリップで閉鎖した。その後インスリン分泌刺激試験を行ったが、ラ島数が少ないせいか、インスリン分泌量が0.2ng/ml以下であったため、1つの膵臓から分離したラ島700-800個を用いて分泌刺激試験を行った。インスリン分泌量の平均値は2.9ng/mlであった。(n=4) 今後nを増やしてさらに検討していく予定である。 十分なインスリン分泌が確認されたら糖尿病ラット、あるいは糖尿病マウスに人工膵を移植する予定である。
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