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1998 年度 実績報告書

動脈血行再建後の内膜肥厚の発生機序と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10671104
研究機関東京大学

研究代表者

宮田 哲郎  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70190791)

研究分担者 多久和 陽  金沢大学, 医学部・第一生理, 教授 (60171592)
キーワードアンギオテンシンII / PDGF / 内膜平滑筋細胞
研究概要

〈障害血管壁での増殖因子のクロストーク〜アンギオテンシンIIとPDGF〉
内膜肥厚の形成には様々な増殖因子が複雑に関与しているが、PDGFとアンギオテンシン(ATII)は重要な役割を果たしているものの、両者の関連は全く不明であった。障害血管内平滑筋細胞は形成変換をおこしており、従来の培養平滑筋細胞ではおこらない反応をおこす。そこで、ラット頚動脈に内皮剥離障害を加え、形成された肥厚内膜より樹立した内膜肥厚細胞を用いてATIIとPDGFとの関連を調べた。この細胞ではATII刺激によりPDGF-B遺伝子の発現が引き起こされPDGF-Bタンパクの発現を確認した。特異的な受容体阻害剤を用いて、その作用がアンギオテンシンII-1型受容体を介する反応であることを明らかにした。更にその情報伝達系を解明した。一般的に、増殖因子からの刺激が遺伝子発現を引き起こすとき、MAPK(ERK、JNK、p38MAPK)を経由することが知られている。従って、このPDGF-B発現誘導もこの3つのMAPKのいずれかを経由すると考えられた。まず、私たちはATIIはERK、JNK、p38MAPK、いずれも活性化することをつきとめた。特異的阻害剤を用いると、ATIIによるPDGF-B遺伝子発現がERKに依存することがわかった。また、PDGF-B遺伝子のプロモーター領賊をコードする遺伝子を組み込んだルシフェラーゼレポーターベクターを作成し、細胞に遺伝子導入してルシフェラーゼ活性を測定すると、PDGF-B鎖mRNAの増加は転写促進によるものであることが明らかになった。さらに、各MAPキナーゼ優性抑制型変異体を遺伝子導入して、PDGF-B鎖遺伝子プロモーター活性を評価するとERKとJNKの変異体がATIIによるPDGF-B鎖遺伝子プロモーター活性を抑制し、ERKとともにJNKもATIIによるPDGF-B鎖遺伝子発現には必要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] TAKUWA.Y: "TyrosiMe phosphorylation of PDGF : B peceptors in coronary arteuy lesion" Heart. 79. 400-406 (1998)

  • [文献書誌] TAKUWA.Y: "Cyclin D1 expression mediated by PI3K through mTOR-p70^<6K> inrepesdent signaling in growth factor stihulated NIH3T3-fibroblasts" Mol.Cell.Biol. 19. 1346-1358 (1998)

  • [文献書誌] 多久和 陽: "growth factor シグナリングと血管狭窄治療への応用" 呼吸. (in press). (1998)

  • [文献書誌] 宮田哲郎: "バルーン障害後再狭窄に対するPDGF-Bを標的とした治療の可能性" 脈管学. 38. 813-816 (1998)

  • [文献書誌] 宮田哲郎: "遺伝子導入法の血管外科への応用" 外科. 60. 1680-1684 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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