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1999 年度 実績報告書

肝冷阻血再灌流傷害と回復の機序の研究(肝細胞と肝類洞内皮細胞の機序と細胞動態)

研究課題

研究課題/領域番号 10671110
研究機関東京大学

研究代表者

今村 宏  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00283268)

キーワードapotosis / 接着分子 / MAC-1 / ICAM-1 / 好中球 / 肝阻血 / 再灌流障害
研究概要

【はじめに】前年度は、ラットの肝虚血再還流障害(I/R Injury)モデルにおいて、好中球の類洞からのmigrationおよび肝細胞への接着に関与しているとされる接着分子ICAM-1、Mac-1の経時的変化について検討した。
肝細胞に接着した好中球はproteaseや活性化酸素などのcytotoxic mediatorを放出し肝細胞壊死を引き起こすとされているが、近年apoptosisによる細胞死(類洞内皮細胞や肝細胞)のI/R Injuryへの関与が指摘されている。さらにapoptosisが引きがねとなり、好中球のmigrationさらには肝細胞障害をひきおこすという報告もある。そこで今年度は昨年と同モデルでapoptosisによる肝細胞死、好中球数(PMN)、および肝細胞壊死範囲(NA)の経時的変化につき検討した。【方法】実験はWistar系雄性ラットを用い阻血実験4週間前に脾臓の皮下植え込み術を施行した。30分と60分のI/R後上記パラメーターを計測。apoptosisによる肝細胞死はTUNEL法により同定し、単位肝細胞あたりのTUNEL陽性細胞数をApoptotic Index(AI)とした。PMNはn-ASDクロロアセテート染色後カウントし、NAはH.E.染色後マッピングし計測した。【結果】30分のI/R後AI、PMN、NAのピークはそれぞれ3h,6h,12hであった。60分のI/R後AIは時間の経過とともにほぼ一方向性に増加し24h後にピークとなった。PMN、NAのピークはそれぞれ12h,24hであった。また60分群のピーク値はいずれも30分群に比べ有意に高値を示した。【結論】肝のI/R Injuryにおいて虚血時間の長さがその後の肝障害の程度を決定し、またapoptosisによる肝細胞死がtriggerとなり好中球の遊走、接着さらには肝細胞壊死が引き起こされる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shimada R, Imamura H, 他: "Staged hepatectomy following emergency transcatherter arterial embolization for ruptured hepalocellularcarcinon..."Surgery. 124. 526-535 (1998)

  • [文献書誌] Imamura H, 他: "Preoperative portal vein embolization : an audit of 84 patients"Hepatology. 29. 1099-1105 (1999)

  • [文献書誌] Nakayama A, Imamura H, 他: "Proximal bile duct stricture disgused as malignant neoplasm"Surgery. 125. 514-521 (1999)

  • [文献書誌] Imamura H, 他: "Prognostic signiticance of anatomical resection and des-X-carboxy prothrombin in patients with hepatocellular carcinoma"British Journal of Surgery. 86. 1032-1038 (1999)

  • [文献書誌] Imamura H, 他: "Aggressive surgical approach to recurrent tumors after hepatectomy for metastatic spread of colorectal cancer to the liver"Surgery. (印刷中).

  • [文献書誌] Imamura H, 他: "Treatment strategy for multiple hepatic metastases of colorectal carcinoma"J. Hepatobiliary Pancreat. Surg.. 6. 23-29 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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