研究概要 |
【目的】endotoxin(LPS)肝障害に対する治療法は確立されておらず、Lazaroid(LZ)のLPS肝障害に対する効果を明らかにすることにより、その病態、治療法について検討した。【方法】ICRマウスにLPS(30mg/kg,i.p,)により障害肝を作成した。同時にLZ(3mg/kg)を投与した。LPS投与後の生存率、過酸化脂質、TNF-α、TNF-αmRNA、NF-κBの変動、好中球浸潤、肝逸脱酵素とこれに及ぼすLZの投与効果について検討した。Kupffer細胞(KC)はcollagenase肝灌流により分離した。【結果と考察】1)対照群ではLPS投与後NF-κBの活性化、TNF-αmRNA発現増強、血中TNF-αの増加、好中球浸潤、過酸化脂質、肝逸脱酵素の増加が認められた。2)LZ投与はNF-κBの活性化を抑制し、TNF-αmRNA発現を抑制し、TNF-α生成、好中球浸潤を抑制し生存率を有意に増加させた。3)in vitroのLPS添加後のKC培養実験でもLZ投与はNF-κBの活性化を抑制し、mRNA発現を抑制し、cytokine生成を抑制した。以上の結果、LPS肝障害はLPSによるKCのNF-κBの活性化proinflammatory cytokine mRNAの発現、cytokineの放出が関与すると推定され、その治療法としてLZの有効性が期待される。
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