研究課題/領域番号 |
10671123
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
東 尚 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (60260733)
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研究分担者 |
兼松 隆之 長崎大学, 医学部, 教授 (40128004)
藤岡 ひかる 長崎大学, 医学部, 講師 (00264226)
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キーワード | 肝移植 / トレランス / 遊走細胞 / ドナー抗原提示細胞 / リンパ球混合培養反応 / ラット |
研究概要 |
ドナーにLEW、レシピエントにWFラットを用い同所性全肝移植を行うと、免疫操作を行うことなく長期生存する。そこで移植肝の免疫原性について調べてみると、術後3日目までには消失していることが明かとなった。次に、移植後各時期のレシピエント脾細胞の免疫原性について、in vitroのassay系(リンパ球混合培養反応、MLR)を用いて検討した。即ち、移植後の宿主の脾細胞からpanning法を用いて宿主由来の細胞を除きドナー細胞をenrichし刺激細胞とした。移植後12時間目のレシピエント脾臓には強力な抗原提示能力を有するドナー細胞が存在するが、術後7日目の脾臓においてはそのMLR反応は消失した。以上のことから、移植時肝内に存在するドナー由来の抗原提示細胞(APC)は移植後直ちに移植片より遊離し、レシピエントの末梢で早期に消失することが明かとなった。 一方、宿主において、ドナー抗原に対する反応性をin vivoのassayを用いて検討したところ、術後早期(1-2週目)には高度に低下していた。ところが、in vitroにおいて、術後2週目の宿主脾細胞を反応細胞、上記によって得られた細胞を刺激細胞とするMLR反応を行うと、コントロール群と比較し明らかにその反応は上昇していた。つまり、in vivoにおいてはなんらかの機構によりドナー抗原に対する反応性が抑制されていることが示唆された。
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