研究課題/領域番号 |
10671126
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (80275049)
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研究分担者 |
山岡 博之 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (90230317)
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (70254208)
宮城 洋平 横浜市立大学, 医学部・第2病理, 助手 (00254194)
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キーワード | pp5 / TFPL-2 / セリンプロテアーゼ / インヒビター / 乳癌 / 組織因子 / 血液凝固 |
研究概要 |
近年、血液凝固反応が癌の浸潤、転移の成立に深く関与していることを示す報告が多数なされている。癌細胞が産生する凝固反応の惹起物質は主に TF(以下TF)であり、凝固第X因子の活性化能を持つ。TFは生理的な止血・凝固システムの中心的分子であると同時に、胎生期の血管形成、VEGFの産生、血管新生にも深く関与することが明かにされている。本研究では、(1)TF細胞内ドメインがアクチン結合蛋白 ABP280 と結合し細胞骨格にドックしていること、(2)TFを強制発現する癌細胞の接着、遊走が、抗TF抗体、凝固第VII因子により亢進すること、(3)TFを介する細胞の接着に際してfocal adhesion kinaseのリン酸化が起こることを明らかにした。また、手術材料を使った免疫組織科学的解析から、(1)invasion frontの癌細胞がTFを強く発現する傾向があること、(2)透過性の亢進した腫瘍血管の周囲に血液凝固第 VII 因子の抗原反応が見られることを示した。以上の結果は、透過性の亢進した血管から漏出する第 VII 因子がTFを発現するinvasion frontの癌細胞の向血管性増殖を促し、浸潤・転移の成立に寄与する可能性を示唆する。TFには、生理的抑制物質TFPI-1およびPP5/TFPI-2が知られている。本研究では更に、腫瘍細胞とその周囲の正常血管内皮細胞にTFが発現していることが示されて注目を集めている乳癌について、手術例6例の癌部、非癌部組織よりRNAを抽出し、TFおよび抑制因子TFPI-1およびTFPI-2の発現をRT-PCR法で検討した。癌部、非癌部いずれの組織でも TFPI-2 の発現を認めたが癌組織では、発現が減弱している傾向が見られた。このことから、TFの抑制物質も併せて解析してゆく必要があることがわかる。今後、免疫組織学的に更に詳細な検討を行う予定である。
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