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1999 年度 実績報告書

肺癌遺伝子治療:癌抑制遺伝子p53に対するアンチセンスの抗癌剤感受性増強効果

研究課題

研究課題/領域番号 10671133
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

川村 雅文  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70169770)

研究分担者 儀賀 理暁  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60276269)
久保田 哲朗  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00118944)
キーワード抗癌剤 / 感受性試験 / p53 / アンチセンス / 癌抑制遺伝子
研究概要

本研究は、癌抑制遺伝子であるp53に対するアンチセンスが抗癌剤の感受性を増強することができるか否かを研究することを目的としている。このためには、切除肺癌組織や生検リンパ節あるいは悪性胸水細胞などから組織培養系を作成し、抗癌剤感受性試験が行えること、更にこの感受性試験が臨床における抗癌剤の奏効率を反映していることが必要であるが、本研究で用いているコローゲン3次元マトリクス法(collagen droplet embedded drug sensitivity test:CDDST法)が、これらの条件を満たしていることは、平成10年度の検討で既に証明された。平成11年度は以下の実験を行った。
(1)CDDST法を用いたp53アンチセンスによる抗癌剤感受性増強効果の有無の検索
(方法)癌細胞のcell lineを(n=10)用いて9種類の抗癌剤についてその抗癌剤感受性を測定した。同様の実験をp53に対するアンチセンスを加えて行った。(結果)抗癌剤感受性が明らかに増加するものは認められず。
(考察)この原因としては、1.アンチセンスの問題(アンチセンスの構造に問題がある)、2.癌細胞のapoptosisにおけるp53のm-RNAの役割の問題(p53のm-RNAが抗癌剤接触下におけるapoptosisに関与していない可能性など)3.この抗癌剤感受性測定系において抗癌剤増強作用を再現することが困難である可能性等が考えられた。
(2)CDDST法による測定環境下で抗癌剤感受性を増強させる諸因子を再現できるか
(方法)細胞培養の条件を37℃から42℃に変化させた。(結果)抗癌剤感受性は薬剤により増強するものがみられたが、減弱するものはみられた。またcell lineを代えても薬剤により抗癌剤感受性が増強し易いものとそうでないものに傾向が別れた。
(3)温熱による抗癌剤感受性の増強下におけるp53のm-RNAの役割の検討
(方法)癌細胞のcell lineの培養の条件を37℃から42℃に変化させ、その時間を延ばしていくとapoptosisが誘導される。この条件下でのp53のm-RNAの発現をPCR法で検索した。(結果)癌細胞のcell lineでは通常の状態ではp53のm-RNAの発現は検出限界以下であった。42℃の温熱による負荷でapoptosisを誘導してもp53のm-RNAの増加は観察されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 川村 雅文: "抗癌剤感受性試験に基づいた肺癌の化学療法"肺癌の臨床. 1巻3号. 353-360 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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