研究概要 |
1.ヒト乳癌細胞培養株におけるインテグリンαvβ3の発現 複数のヒト乳癌細胞株(MCF-7,T47D,MDA-MB-231,MKL-4)におけるインテグリンαvβ3、α2β1の発現を、マウスモノクローナル抗体(CD51/61、LM609、23C6)を用いて、高感度免疫染色法により検討を行った。インテグリンαvβ3は、MDA-MB-231にのみ発現しており、インテグリンα2β1は、MCF-7,T47D,MDAーMB-231,MKL-4の4種類全てに発現していた。 2.原発乳癌におけるインテグリンαvβ3の発現 当教室において治癒切除がなされた原発乳癌の中で、骨転移再発を来たした症例を対象として、原発巣におけるインテグリンαvβ3の発現の検討を行った。インテグリンαvβ3は、骨転移再発例で19例中11例(58%)に発現しており、健存例の18例中7例(39%)と比較して高値を示した。 3.ラット実験モデルにおける癌転移部位別のインテグリンαvβ3の発現 ヒト乳癌細胞株(MDA-MB-231,MKL-4)を用いて、ラット実験モデルにおける癌転移部位におけるインテグリンαvβ3、α2β1の発現の違いを観察した。骨転移モデルと皮下転移モデルにおいて、インテグリンの発現の違いについて検討中であるが、骨転移巣におけるインテグリンαvβ3の発現はやや増強する傾向が見られた。
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